与えるものとして

「人が死んで、後に残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」
というジェラール・シャンドリーの言葉があります。
多く集めた人が、歴史に残るのだと思って胸像やなんか建てたりしますけれども、やがて時が経つと、けとばされたり壊されたりしているのを見ます。しかし誰かにあげた美しい優しい笑顔、優しい言葉、ささやかながらも愛のこもったプレゼント。それらはその人が死んでも人々の心の中に残るに違いありません。

(三浦綾子『キリスト教・祈りのかたち』)