恒牧師の歩み続き№3  ・・結婚式を終えて3日目には、小さな貨物船に乗って三宅島にある教会に渡った。開拓しようとして行ったが、そこにはすでに幼稚園もある教会があり、牧師もいた。そこで三か月くらいお手伝いをしていたが、子供がお腹に与えられたので、7月に東京の八丁堀にあった星野栄一牧師が牧会していた聖都教会に帰った。しばらく聖都教会でお世話になっていたが場所もなく、台所で寝泊まりした。教会はその頃、様々なトラブルに巻き込まれ、詐欺にあったのか、建物が人手に渡り、立ち退きを要求され、人が住んでいるにもかかわらず、解体屋によって天井がなくなり夜には星が見えた。12月に、鳥取県の江尾キリスト教会に牧師として遣わされ、昭和39年の2月に長女、その翌年には長男が9月に誕生。江尾の教会には3年ほど奉仕をした。(その頃、江尾教会に居た中学生だった女の子が2010年の記念集会にメッセージの奉仕に招待され、再会した時には孫もいる60代になっていたので驚いていた。)・・江尾の後、東京にある視力障害センターで点字や針灸治療を学ぶため上京。同じ教団の聖泉キリスト教会の三浦清重牧師に声を掛けて頂き、川口の朝日町にある「一恵荘」に引っ越してきた。昭和42年の春だった。

 

教会の庭に初めてオレンジ色の薔薇が咲きました。

 

もうそろそろ終わりなので、

切って飾りました。

 

花は、

色も

香も

葉っぱも

形も違います。

 

それぞれに名前があって、美しく麗しく存在していて、私たちの心を慰め癒してくれます。

 

お花の美しさを見る時に、天のお父様の私たちに対する愛が伝わって来ます。美しい愛の心が現わされているからです。

 

花びらの一枚一枚に。

香りの優しさに、

葉っぱの凛々しさに。

 

花も木も鳥も愛した私たちの

この教会のルーツである故青山恒牧師のストーリーをここに掲載いたします。

 

故青山恒牧師のストーリー

恒牧師、昭和11年生まれ。今年(2017年)もし生きていたら、5月19日に81歳

・・・天に召されたのが77歳。しかし今は天において青年であろう。男ばかりの4人兄弟の次男として、島根県安来市に生まれた。学生時代は、柔道、バレーボール、器械体操などスポーツにいそしみ、家においては厳しい田植えを手伝い、高校を卒業して、市役所に勤務していた。仕事が好きだった。しかし突然、網膜色素変性という眼の難病になり、好きな仕事を辞めることになった。これから、将来に向かっていこうとする矢先に、目の前が真っ暗になる。それから、あちらこちら仕事を捜し歩き、ある時には歯医者の面接に行った。そこで小さな細かいピンのようなものを落とされ、それを拾った。あまり拾えなかったのだろう、採用には至らなかった。方々いろいろなところで働いたが目が悪くて辞めさせられた。田舎の夜道良く目が見えず、何度も田んぼに落っこちた。泥にまみれた体を洗いながら、声を上げて泣いた。人生に失望し、いつでも死ねるように、農薬をポケットに忍ばせた。やっと生協に仕事が決まり、自転車で、トランジスターラジオを肩に下げて、音楽を聞きながら用足しに走った。生協の同僚にキリスト教会の特別集会の案内をもらい、初めて教会の集会に参加した。「神のみわざが現れるため」と、神の愛を知り心に希望の光が照った。

聖書の言葉によってキリストと出会い、自分を主にお捧げしようと献身東京の神学校に入るために、眼が不自由ながら、単身で上京。信仰の決断であった。

 

№2イエス様を信じて救われてから、キリスト教会に一年間教会献身をしていた。礼拝の中で語られた、新約聖書の使徒の働き5章のアナニアとサッピラのメッセージを聞いて、自分は一部を残さずに全てを主に捧げようと決心し、東京の神学校に入学。もし不自由な身体の故に入れてもらえないようならば、また教会に帰って来なさいと、その当時、島根県、美保の教会の牧師、坪倉先生に言われる。しかし入学を許され、3年間、千葉県の検見川にあった東京神学院で学ぶ。寮生活、朝の早天には誰よりも早く座り、ノートに書く文字は良く見えないために、斜めになった。

 

聖歌441番

恵みの光は やみ路を歩く

私に救いを届けてくれた

光の神は愛に富む父だ 

 

路傍伝道で太鼓をたたきながらこの聖歌を歌い、歩いた。たたきながら、やはりどこかに落っこちた。しかし心には喜びがある。ある日、癒しの器(先生)が来るという事で集会に参加した。祈ってもらう時に、心の中で、もし目が見えるようになったらどうしよう・・・と考えた。しかし祈ってもらった後には、目は見えないままだったが、「不自由で障害がある」という心の痛みや苦しみが全くなくなり、平安になった。神学校卒業と同時に、牧師から紹介された辰馬恵美子姉と結婚。そのまま三宅島にある教会に渡った。昭和38年1963年26歳の時だった。

つづく