あっという間の出来事でした。
あなたは鳥だったのね!
そんなに飛びたかったのね!
青い空に憧れて、
インコのきいちゃんは、
私の肩に乗せていた小さな足をぐーんと踏ん張って、お隣の香代ちゃんの森の高い木の中に、
嬉しそうに鳴きながら、飛んでいきました。
青い空に黄色い羽根が美しく映えて・・
普段は見せないような、ジェット機のような勢いで飛んでいきました。
私はハッとして、
手の届かない高い空に飛んで行ってしまった、きいちゃんを、追いかけようとしたけど、
翼もないし、自転車も車も行かれない・・・途方にくれました。
入院している母の手術が成功して次の日の朝の出来事でした。
病気の母を慰めてくれていた、小鳥のキイちゃんは、突然に飛び立ってしまって、母を思うと心が痛いし、敵の多いこの空に遊びに行ってしまった小鳥も心配で・・・ひたすら神様に祈るほか有りませんでした。
こんな広い広い街に出て行ってしまって、到底帰ってくることなど考えられない・・・
外に出たら黒いカラスが不気味に鳴いているし、下にはネコがいる。
食べ物も自分では取れないし・・・
寒い夜はどうしているだろうと。
私の不注意で迷子にさせてしまった事を悔やむばかりでした。
私はネットにある迷子の掲示板に小鳥の写真を載せました。
無理かもしれないけどもしかして見つかることを願いながら・・・。
小鳥の好きだった豆苗やトウモロコシを見るたびに、
また小鳥たちのさえずりを聞くのも、心が痛く・・
小さな鳥さえもいなくなった時には、こんなに苦しいのに、
ましてや、子供がいなくなった時にはどれだけ辛い思いをするのだろうかと、
考えました・・。
聖書の中のルカの福音書の15章にある迷子の羊・・・一匹のいなくなった羊を探しに出る羊飼い。神様の失われた者に対する思いは深く熱いものである事を改めて思い知らされた出来事でした。
とにかく、私に出来る事は迷子の掲示板に掲載すること、あとは神様に祈る事でした。
小鳥が冷たい雨にぬれないで、暖かいお部屋でかくまわれますように。食べ物があるように。敵から守られるように。母を慰めてくれたこの小鳥に主からの守りと助けをひたすら祈っていたのでした。・・・・つづく
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